クローンは短命←嘘でしたについて
|
|
2016/11/17
初の厳密な検証が行われ,通常の動物と同じであることが判明した
20年前のクローン羊「ドリー」の誕生は,哺乳動物の成体細胞から抽出したDNAを未受精卵に
注入することによってドナーとまったく同じ遺伝情報を持つ動物を作成できることを証明した。
だがドリーは若くして死んだため(6歳で死亡),クローン動物の寿命は短いという印象が残った。
クローン動物は“自然に生まれた”動物よりも生まれつき不健康なのだろうか。それを明らかにす
るために,英ノッティンガム大学の発生生物学者シンクレア(Kevin Sinclair)は,ドリーの4頭のク ローン姉妹であるデビー,デニス,ダイアナ,デイジーを誕生から中年期まで追跡調査した。この 4頭はドリーと同じ凍結乳腺細胞に由来するクローン羊だ。シンクレアらはこのほか,別の細胞から つくられた9頭のクローン羊も観察した。
これら13頭は現在9歳を超えているが(人間では70歳代から80歳代に相当),すべて通常の羊と同 程度に健康であることが,骨のスキャンと血糖値,詳細な血圧測定から明らかになった。「これらの クローン羊は完全に正常だといえる」とシンクレアはいう。Nature Communications誌に報告。
ではドリーはどうして早世したのだろう? ドリーの研究に携わっていた研究者たちは,ドリーは同じ 群れに広まっていた伝染病によって死亡したのであって,クローン特有の問題が原因ではないという。
確かにドリーはひざに関節炎を起こしていたが,ドリーが生まれたロスリン研究所(英エディンバラ) の遺伝学者サング(Helen Sang)は,室内で飼育されドリーと同様に頻繁に餌を与えられたヒツジは, みな関節に問題が生じるだろうという。
20年たった現在も,クローン作成は自然交配よりも効率が悪い。だが今回の新研究は,クローン動 物が胎内で無事に育って出生後の数週間を健康に乗り切れば,自然に生まれた仲間と同様に生き 延びると期待できることを示している。
クローン技術は現在,研究用の胚性幹細胞(ES細胞)の作製や,高付加価値の家畜の育種に用い られている。クローンに長寿あれ!■
http://www.nikkei-science.com/?p=51410
記事引用元
クローンは短命←嘘でした
#2chまとめ