【言葉狩り】「死亡」「亡くなる」は不適切!? ゾウの「はな子」報道で考える動物の死…について
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【言葉狩り】「死亡」「亡くなる」は不適切!? ゾウの「はな子」報道で考える動物の死…
日本最高齢のゾウ「はな子」の死、報道の表現に違和感
大勢の老若男女が集まり献花台で花を手向け手をあわせる。そこは動物園だ。
「2016年5月26日、年老いた1頭のゾウが、この世を去った。人々に愛された不思議なゾウ‘はな子’その姿を、もう一度……日本最高齢のゾウ<はな子>が69年の生涯を閉じた~」
映像とテロップだけが流れた後、2月に放送されたNHKドキュメント72時間が6月10日再放送された。
戦後間もなくタイから日本にやって来た巨大なアジアゾウ。日本の混乱も成長も繁栄も停滞も、淡々と檻の中から見守ってきた「はな子」に、自分の人生を重ねた人たちが少なくない。
何度も園に通い、はな子に声をかけ、優し眼差しに癒される人たち。
ついに天に召されたはな子を、「単なる動物」を超えた「パートナー」のような「恋人」のような、時には「神様」のような存在だと感じる人にとって、亡くなった翌日の新聞の見出しは、ちょっぴり違和感を覚えたかもしれない。
「ゾウのはな子、死ぬ」
一般紙の見出しは「死ぬ」という「ストレートな表現」でほぼ統一されていた。
「死ぬだなんて、生々しい表現に違和感がある。旅立ったとか、最低でも亡くなった、ぐらいにしてもらえないものだろうか……」
スポーツ誌ならもう少し「共感的表現」を使ってくれるかと思ったら、そうでもない。
・スポーツニッポン「47年生まれ69歳ゾウ・はな子死ぬ」
・サンスポ「はな子死ぬ、国内最高齢69歳」
「死ぬ」を使わなかったのは、日刊スポーツの「ゾウのはな子69歳大往生」ぐらいか。
「ニュースなんだから、ドキュメント72時間のトーンと違って当たり前じゃないか?」
言われてみれば当然だ。報道機関が「動物の死を死ぬ」と伝えるのは何も間違っていない。ニュースには「迅速に正確にわかりやすく伝える責務」があるからだ。
日本新聞協会としては「死亡」「亡くなる」は“不適切”
社団法人日本新聞協会が発行する「放送で気になる言葉 最新版」も「誤用に気をつけたい言葉・亡くなられる」の項目に「動物の死」についての記述がある。
「パンダが亡くなった」と言った例が(どこかの新聞に)あったそうだが動物には「亡くなる」は(婉曲で情緒的でニュースに馴染まないから?)使わない。「死亡」も(人について使う言葉だから)使わない(それ故「死んだ」だ、が最も適切な表現だ……)~
これは何も新聞協会が頑固で偏屈だというわけでは全くない。辞書だって「死亡」「亡くなる」は「人に対して使う」と明記したものが多い。
「動物の死」はそのまま「死んだ」を使うのが現代のスタンダード、らしい。すなわちニュースでは、ペットを含む動物はあくまでも「死んだ」で、「死亡」「亡くなる」は“不適切”というわけだ。
新聞各紙はこの原則をきちんと守り「公正中立な報道」を心がけている。「婉曲で情緒的な表現は避けよ」と戒めるのはわからなくもない。
とはいえ「動物はしょせん動物なのだから『死んだ』で十分。『亡くなる』などと、まるで人間みたいな表現は幼稚に過ぎる」と、そこまで言われるのだとすれば少々抵抗したくなる。
>>2-3に続く。
引用元: ・【社会】「死亡」「亡くなる」は不適切? ゾウの「はな子」報道で考える動物の死
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【言葉狩り】「死亡」「亡くなる」は不適切!? ゾウの「はな子」報道で考える動物の死…
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